感覚創薬とは、感覚刺激により本来ヒトや動物が有している潜在的な生体保護能力を統合誘導する概念で、関西医科大学における基盤技術および探索シーズを活用し、経験豊富な経営メンバーを加えて、早期非臨床開発を進めてきました。
当社はこの「感覚創薬」概念に基づく人工冬眠誘発による世界初の医薬品シーズを開発し、救急疾患で苦しむ患者に治療選択肢を提供することで、グローバルなイノベーション創出に貢献します。
※Myrodiaとはギリシア語で「香り」を意味します。
脳と臓器は、感覚神経や迷走神経を通じて密接に関連し、情報の伝達と機能の調節を行うことで、病気の進行に深く関与しています。この相互作用は、私たちの身体が健康を維持し、病気や外部の脅威に対処するための重要な仕組みです。その過程において、脳幹の危機応答中枢は特に重要な役割を果たしています。ここでは、感覚情報が処理され、身体の緊急事態への対応が調整されます。私たちはこの脳幹への感覚情報を人為的に伝達することで、抗炎症型免疫増強、代謝抑制、臓器血流改善など身体を守るための機能を引き出すことができることを発見し、この革新的な概念を「感覚創薬」と名付けました。
感覚創薬は、生命を守る潜在能力を引き出すことに焦点を当てた技術です。人間や動物は、進化の過程で生き残るための驚くべき能力を発展させてきました。例えば、冬眠動物は通常では不可能な低体温や低代謝、低心拍数の状態で生存する能力を持っています。感覚創薬は、このような自然のメカニズムに着想を得ており、人工的にこのような状態を誘導することで、さまざまな疾患の治療や予防に役立つ可能性があります。この革新的なアプローチは、将来的に多くの医療分野で応用される可能性があります。感覚創薬は、従来の治療法にはない新たな展望を開き、私たちの健康と福祉に貢献することが期待されます。
神谷 勇輝CEO / 代表取締役
製薬企業において臨床開発、プロジェクトマネジメント、ライセンシングを含む15年以上の事業経験を有する。前職のEAファーマでは消化器領域を中心とした自社開発プロジェクトの運営管理、臨床開発の計画策定および実行、バイオベンチャーからの導入案件の探索・評価、およびベンチャーキャピタルと協働するビジネスモデルの構築に携わった。2023年および2024年にHealth 2.0 ConferenceにてOutstanding Leadership AwardおよびVisionaries Award受賞。
小早川 高, PhDCSO / Founder
東京大学理学部生物化学科卒業、同大学院で理学博士。大阪バイオサイエンス研究所などを経て、現在、関西医科大学附属生命医学研究所教授、脳科学香料株式会社社長。匂い分子に対する先天的恐怖情動の分野を国際的にリードする成果を、NatureやCell誌などに多数発表すると共に様々な種類の機能性香料の開発に成功。人工冬眠・生命保護状態を誘導し難治性疾患を治療する感覚医学・創薬の概念を世界に先駆けて提唱。この基盤となる特許を複数取得。
水野 敦之CFO
三井物産のベンチャーキャピタルファンドを通じて、アジアやイスラエルのテクノロジー系スタートアップへの投資に15年以上従事。うち6年以上にわたりイスラエルに駐在しイスラエルのアーリーステージに特化した$90M強（約130億円）のファンド設立を主導し、同ファンドのゼネラルパートナーとして投資ならびにファンドのAdmin、運営に貢献。過去の投資先はニューヨーク証券取引所等日本や国外の証券所上場など成功裏のExitも経験。
小早川 令子, PhDFounder
関西医科大学 附属生命医学研究所 神経機能部門 研究所教授
稲葉 太郎
Remiges Ventures / RDiscovery Managing Partner
下村 俊泰, PhD
大鵬イノベーションズ Managing Partner
